カウンセリングとの出会い

 心療内科や心理相談室を探し、「カウンセリングがどんなものか、どんなカウンセラーなのか」と不安になりながら予約を入れる。なんとか予約ができたものの、苦しい日々を過ごしながら、緊張と不安と期待を込めてカウンセリングの当日を迎える。

 カウンセリングを受けるだけでも、いくつかのハードルを越えなければいけないという人も少なくありません。中には予約をしたけれど、不安が高まってキャンセルするという人もいます。
 それくらい、カウンセリングを受けるということは勇気のいることす。

 そんな中、勇気を持って来てくれた相談者の方に、最低限、何かしら持って帰っていただくことをいつも考えています。
 一度の相談で解決するということは、なかなかありません。
 多くの場合、長い期間、悩んだ末に意を決して相談に来たという方や、今のしんどさの元を辿れば、ずっと昔からその兆候が隠れていたという方など、昨日今日の問題ではなかったりします。
 すると必然、さまざまな角度からお話を聞く必要はありますし、今の症状についても細かく丁寧に聴いていくことも大切です。
 今の現状をしっかりと把握するための、情報収集するだけでも、1時間はあっという間に過ぎてしまいます。

 しかし、相談者の方は、この悩みをどうにかしたいと勇気を持ってこられている。その上、心療内科や精神科といった医療機関ではない心理相談室(当相談室も同様)では、保険適応もないので、料金も安くはない。
 だからこそ、この1時間を情報収集だけで終わらせないように、当相談室では努めています。

 例えば、最初の情報収集の中から、これまで気づけなかった問題の本質に当たりをつけるとこまではする。
 現状の苦しさについて、感情的な部分を十分に語ってもらう(感情体験をしてもらう)。
 しんどさの理由やしんどさが消えない理由を明らかにして、腑に落とす。
 なんらかの方向性を見つける(ゴールを設定する)。
 そういったことだけでも体験してもらえれば、日常に戻った時に、なんらかの変化の起点になると思います。

 大きな決断の上でカウンセリングと出会った相談者の方に、「もしかしたら変われるかもしれない」「ちょっとスッキリしたかも」「言葉にならない非日常の体験」そう感じてもらうことが大切だと思います。

 少なくとも、カウンセリングを受けて「不用意な言葉で傷ついた」「不安がもっと高まったまま終わった」そんな体験にならないように、細心の注意を払う必要があるはずです。
 カウンセリングでの意味ある体験が広まれば、カウンセリングが広まり、もっと社会にも浸透していくと思います。
 そうすれば、長く苦しむ前に相談できる人が増え、日々の心のメンテナンスという考え方が受け入れられていくと信じています。

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