ナラティブ(物語)を聴く心理カウンセリング

カウンセリングの一技法であるナラティブアプローチを紹介したいと思います。

「どんなふうに語ってきたか」が、今のあなたを形づくっている

私たちは日々、たくさんの出来事を経験し、それを「語り」として自分の中で整理しています。

たとえば

「私は昔からダメな子だった」

「いつも人に迷惑をかけてばかり」

「家族に気を使うのが当たり前」

そんなふうに、自分のことを”ある物語”として語っていることはありませんか?

それは、誰かに言われたことだったり、繰り返し起こる出来事から自然とそう思い込んでいたり。

でもその語りは、本当にすべての自分を語り尽くしているでしょうか?

ナラティブアプローチとは

ナラティブアプローチは、カウンセリングの中で「語り(ナラティブ)」に注目し、その人がどのように自分の人生や問題を物語ってきたかを丁寧に聴いていく方法です。

「どんな語りがあなたの中にあったのか」

「それはどんな背景で育まれてきたのか」

「今、別の語りが生まれる可能性はないだろうか」

カウンセラーは「こうあるべき」とアドバイスをするのではなく、

あなたの語りを一緒に探りながら、新しい物語が生まれてくるのを支える立場です。

「問題」があなたのすべてではありません

ナラティブアプローチでは、「あなたが問題なのではなく、問題があなたに影響している」と考えます。

あなたと問題を切り離して捉えることで、本来のあなたの声や願いに耳をすませていくことができます。

語り直しの中で見つかる「私らしさ」

誰かに自分のことを語ることで、考えや気持ちを整理することができます。

それだけでなく、語りの中で新しい視点が生まれることもあります。

新しい視点は、これまでの語りに縛られず、新しい意味づけを与え、自分の物語の再構築することを可能にします。

それによって、「本当はこうありたい」「実はこんなふうに感じていた」という声が少しずつ現れてきます。

誰の中にも、たくさんの物語が存在する

もし今、悩みの中にあったとしても、その中にあなたらしさや希望の兆しが隠れていることがあります。

ナラティブアプローチでは、そんな語りの種を一緒に探し、育てていく時間を大切にしています。

あなたが物語を再構築していく、共著者としてカウンセラーが支えていきます。

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